近年、お金についての基礎知識を学ぶ「金融教育」が学校の授業で実施され、話題となっています。今や若者の自立に欠かせないとされる金融リテラシー。しかし「なぜ投資するとお金が増えるのか」「効率よくお金を増やす方法とは?」といった疑問に正確に答えられる自信のある“大人”はどのくらいいるでしょうか。
投資についてイチから学びたい! 子どもや親からのお金の質問にきちんと答えたい! そんな声に寄り添うのが、投資こそ必須の「生涯保険」という信条のもと、長期資産形成や実体経済に関する執筆を専門とする日野秀規氏。話題の書籍『こどもと一緒に読む投資の話』では、家族三世代全員が理解できるお金の増える仕組みを解説しています。今回は特別に、第3章『お金を「ふやす」ってどういうこと?』の一部を公開します。(全4回)
※本稿は、日野秀規著『こどもと一緒に読む投資の話』(ぱる出版)の一部を再編集したものです。
株式を買うと、どうしてお金が増えるのか?
本書は、読んでくれたかたが実際に投資をして、お金をもうけられるようになっています。そこで、中学3年生になると社会科の「公民」で習う株式会社のしくみを、投資をする人向けに少しくわしく説明していきましょう。
株式は、企業が事業をするための資金を集める時に、お金と引き換えに投資家に渡される「証拠書類」のようなものです。昔はこれを「株券」といいましたが、いまは電子化されています。証券会社のウェブサイトでどの会社の株をどれだけ持っているかを確認することができ、株式を持っている人を「株主」といいます。
あなたがトヨタ自動車の株式を購入したとしましょう。トヨタ自動車が発行した株式のうち、あなたが持っている株数の割合分だけ、あなたはトヨタ自動車の株主(オーナー)です。あなたは、世界一の自動車メーカーであるトヨタ自動車という会社の持ち主(ほんの一部ですが)であり、トヨタ自動車の社長や社員は、あなたに配当を支払うためにはたらいているのです。