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FX(外国為替証拠金取引)はポピュラーな商品の1つです。特に日本では人気が高く、世界のFX取引で大きなシェアを握っています。

そんな人気のFXですが、実はこれまで何度か詐欺に用いられてきました。2008年4月8日に経営破綻した「エフ・エー・シー」が起こした事件もその1つです。自身が被害に遭わないためにも、どのような手口が用いられたのか振り返ってみましょう。

FXで運用するとうたい130億円を不正に集める

エフ・エー・シーは2000年に設立された福岡市のコンサルティング会社です。2004年後半ごろから資金を集め始めますが、そのうたい文句は60%もの配当利回りでした。

エフ・エー・シーは、一口100万円で「企業コンサルティングセット」を購入すると、毎月5万円の配当を受けられると勧誘します。20カ月で集めた資金が全て払い出される計算ですが、エフ・エー・シーは専門家によるFX運用で配当を維持していると説明していました。この手口でエフ・エー・シーは約8000人からおよそ130億円を集めます。

しかし、エフ・エー・シーは集めた資金を代表者の個人的なローン返済や高級外車の購入費などに充て、実際にはほとんど運用を行っていませんでした。またわずかに行われていた運用では、多額の損失を計上していた事実が発覚します。

エフ・エー・シーは2007年に被害者弁護団によって破産が申し立てられ、2008年4月に破産手続きの開始が決定されました。代表者も2007年に起訴され、2013年に組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)で懲役7年半の実刑が確定しています。