絶好調の映画スタジオに死角はないのか?

映画ファンにも評価の高いA24だが、懸念もないわけではない。ジャンルが幅広く、作品本数がかなり多いため、中には評価の芳しくないものもある。また、作品の幅が広がるにつれ、スタジオの特色が薄まっているのも確かだ。数年前にあった「あの24が手掛けた」というインパクトは、興行の成功と引き換えに、小さくなっていることは否めない。

さらに、2021年にはスタジオをアップル社に売却するのではないか?というニュースが流れた。実際にはアップルによる具体的な買収の発表はなかったが、今後大手の傘下に入らないとも限らない。その場合は、インディペンデントなスタジオの色をどれくらい残せるか?が、課題となってきそうだ。

とはいえ、現在のところ、A24がアメリカの映画界で最も勢いのあるスタジオであることは確実だ。A24自体は未上場の会社だが、個人投資家としては今後タッグを組む大手のテック企業やエンターテインメント企業に目配せをしておきたいところだ。