このような「ガバナンス」に関してベテランと若手で評価の軸にズレがあるのは、ベテランは、ガバナンスについては「経営者」の考え方が大きく影響するとの考え(ある意味で、現状追認型)があり、若手は「(自分たちを含む)現場の頑張りによって、より高い次元にガバナンスを押し上げることができる」(現場の改善力・改革力への期待)と考え、この差が表れているように感じられる。

若手の回答率が高かった「役職員を評価する環境」という回答には、「役職員の行動を的確に評価すれば、ガバナンスはより良くなる」という運用会社へのポジティブな評価目線が感じられる。

「ESG」はガバナンスの重要ポイント

「ESGの観点からエンゲージメント活動に積極的」という項目では、若手の回答率が21年の35.9%から22年は29.6%に低下し、ベテランも21年の29.8%が22年は29.2%にやや低下した。これは、22年に金融庁がESGファンドについて「グリーン・ウォッシング(環境への好影響を謳いながら、その実態がない)」への警戒感を強めたことが強く影響したと考えられる。本来であれば、近年のESG投資ブームを反映して「ESG」や「エンゲージメント(投資先との建設的対話)」については、もっと関心が高まっても良い評価ポイントといえる。この項目に対して特に若手の評価が落ちていることは、運用会社は自戒すべきだろう。

また、「多様な人材の活用を推進している」というポイントもESGの観点で近年は注目度が増している項目だ。性別や国籍などを問わず能力のある人材に活躍の機会を与える企業は、投資先としても有望であり、同じように、運用会社や販売会社でも求められている企業の資質になっている。この項目の評価ポイントは高くはないが、若手が21年の13.7%から22年は23.2%に、ベテランも21年の18.0%が22年は22.7%に上昇している。

若手、ベテランの別なく働きやすい職場に対する評価は上昇しており、今後もガバナンスにおけるESGの視点は重要なポイントとして意識されるだろう。