フィデリティ投信が、17カ国・地域の2万人を対象に、ポストコロナ時代に移行しつつあるなかでの人々の心理状況や、ウェルビーイング、家計支出、貯蓄、老後準備といったお金の問題に関して国際比較を行ったレポートを公表しました。この調査はコロナ禍のさなかであった2021年から始まったもので、今回が2回目になります。

2万人の調査対象者のうち、日本の調査対象者は2000人。内訳は、男女比が50%ずつで、年齢は20~38歳が28%、39~54歳が32%、55歳以上が39%です。また、収入に関しては、年間700万円以下の低所得が36%、年間700万円超1100万円以下の中所得が42%、年間1100万円超の高所得が22%となっています。

同レポートは、総ページ数が59ページあり、内容も今の心理状況からウェルビーイング、金融行動、老後準備、仕事に至るまで幅広いものとなっています。詳細を知りたい方はフィデリティ投信のホームページからダウンロードしてください。最新情報のタブをクリックすれば、掲載項目のひとつに同レポートが掲載されています。本稿では気になったいくつかの項目について簡単に触れることにします。

将来を悲観しすぎる日本人は減っている

まず「この先6カ月について、あなたは楽観的に感じていますか、それとも悲観的に感じていますか」という心理状況を聞く項目です。欧州各国は総じて悲観的という回答比が高く、英国の51%、イタリアの42%、ドイツの45%、スペインの42%、アイルランドの41%という具合ですが、日本は6%しかありません。これは中国の4%、インドの6%と並ぶ水準です。ちなみに2021年調査時点では、悲観的という回答比が44%だったので、だいぶ改善されたと見てよいでしょう。

ただ、中国は楽観的の回答比が83%、インドは64%と非常に高いのに対し、日本のそれはたったの21%です。では、日本は何が高かったのかというと、「どちらでもない」の回答比が73%を占めています。言い換えると、「よいとは言えないけれども、悪いとも言えない」というどっちつかずの状態であると考えられます。