好調なパフォーマンスも人気の理由

フィデリティ・世界割安成長株投信Bコース(為替ヘッジなし)の運用実績も、資金が流入した要因だと考えられます。

同銘柄は2020年3月に運用を開始しました。当時は新型コロナウイルスが流行し始めた頃で、多くの主要国が金融緩和を実施したこともあり、基準価額は運用1年目の2020年末までに約57%も上昇します。

その後の運用も概ね好調で、マイナスの月もありますが、プラスとなった月の方が多く、設定来のリターンは120%を超えました(2022年末時点)。

【月次リターン】

出所:投資信託協会「投信総合検索ライブラリー」より著者作成

本格的なアクティブ運用を求める人に

フィデリティ・世界割安成長株投信Bコース(為替ヘッジなし)の投資対象は、世界の株式のうち、市場が気付いていない成長機会を持ち、かつ割安に放置されている銘柄です。

フィデリティのグローバルな調査体制で世界の上場企業約1万社を調査し、面談などを通じて「成長性」「競争優位性」「収益性」、および「株価の割安度」に着目してポートフォリオを構築します。最終的に、ティリングハスト氏らが運用するマザーファンドが、500~800銘柄に幅広く投資する仕組みです。

このように、フィデリティ・世界割安成長株投信Bコース(為替ヘッジなし)は、徹底した調査を通じ、市場が見過ごす銘柄に投資する王道のアクティブファンドです。運用担当者の実績やフィデリティのリサーチ力を考えれば、その説得力は申し分ないでしょう。

現在インデックスファンドといったパッシブ運用の商品で運用しており、かつそのパフォーマンスに不満がある人は、資金の預け先としてフィデリティ・世界割安成長株投信Bコース(為替ヘッジなし)を検討してみてはいかがでしょうか。市場平均を上回るリターンを得られるかもしれません。

もちろん、アクティブ運用が必ず奏功するわけではなく、またパッシブ運用と比べるとコストが高いデメリットもあります。購入の際は必ず目論見書に目を通し、リスクとコストを慎重に判断するようにしてください。

【フィデリティ・世界割安成長株投信Bコース(為替ヘッジなし)の概要】

銘柄

フィデリティ・世界割安成長株投信Bコース(為替ヘッジなし)
(愛称:テンバガー・ハンター)

運用会社 フィデリティ投信
ファンドのタイプ 内外株式型
設定日 2020年3月23日
信託期間 無期限
決算日 2月20日
受渡期間 5営業日
販売手数料(最大、税込み) 3.3%
信託報酬(全体、税込み) 1.65%
信託報酬(販売会社、税込み)        0.81125%
信託財産留保額 なし
主な販売会社 野村證券
大和証券
SMBC日興証券

 

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。