投資信託をはじめ金融商品の販売関連業務に携わる読者を持つ金融リテール専門誌『Ma-Do』が実施した「運用会社ブランドインテグレーション評価2022」で、販売会社が運用会社に求める「サポート力」は、月次の運用レポートや販売用資料など、顧客(投資家)に商品内容を説明する際に使用するツールへのニーズが高まっていることが分かった。販売会社の本部と支店の比較でみると、もともと販売用資料などについては本部よりも支店の方がニーズがあったが、2022年の調査結果では、本部で前年の48.2%から今年は59.4%と評価が大きく向上。支店では「問い合わせに対するレスポンスが速い」という点が、前年35.7%から今年50.9%へと大きく上昇した。運用環境が大きく変化する中で、投信販売の現場では顧客に対する説明責任を果たすことへの重みが増している。
「運用会社ブランドインテグレーション評価」は、投信販売会社が運用会社を評価する調査で、運用会社について「運用力」「商品開発力・企画力」「営業担当者・研修担当者の質」「サポート力」「ブランド力」「ガバナンス」の6つの軸で評価してもらい、得点順にランキングした。2022年調査は9月~10月にWEBで実施し、国内外の運用会社36社を評価の対象とし、310件の回答を得た。
市場の変化に対する迅速な情報提供に価値
販売会社が運用会社に求めるスキルとして、1番ポイントが高かった運用力(5点満点ので本部・支店とも4.7)に次いで重視しているのがサポート力だ(本部4.5、支店4.3)。販売会社は商品内容を顧客に説明する必要があり、商品を保有する顧客に対して運用状況を伝える必要がある。これら顧客に伝える情報は運用会社が持っているため、運用会社から詳しい情報の提供を受けたいという思いが強い。2022年になって米国が急速な利上げに踏み切り、21年までは運用の主力に位置付けられていた米国株式が下落に転じた。毎月変化する環境が運用商品にどのような影響を与えているのか、販売の現場では一刻も早く正確な情報が欲しいというニーズが急速に高まったといえる。販売員が在籍する支店はもとより、オンライン販売を推進する本部でも運用状況を説明するツールへのニーズが高まった。