株価のランダム・ウォーク性は「目隠しのサルによるダーツ」!?

1973年の初版以来、全米累計150万部を超え、全世界で読まれている投資に関する名著があります。『ウォール街のランダム・ウォーカー』(日本経済新聞出版)という本で、邦訳では『株式投資の不滅の真理』という副題が付いていますが、原題は『A Random Walk Down WallStreet』です。

著者は、ハーバード大学で学士号とMBA、プリンストン大学で経済学の博士号を取得し、大統領経済諮問委員会委員、イェール大学経営大学院学部長、アメリカン証券取引所理事などを歴任したバートン・マルキール氏です。

同氏は、株価のランダム・ウォーク性を独特な言い回しで表現しています。「目隠しをしたサルに新聞の相場欄めがけてダーツを投げさせて選んだ銘柄でポートフォリオを組んだとしても、専門家が注意深く選んだポートフォリオとさほど変わらない運用成果をあげられる」

株価が「ランダム」に動くということは、株式市場や個別の株価の動きには、まったく法則性がない、ということです。

つまり、株価が短期的にはまったく予測不可能に動くとすれば、デイ・トレーディングなどの短期売買で儲かるかどうかは、ルーレットやサイコロと同じく、まったくの「運」、ギャンブルということになります。

「株をやっている」=「ギャンブルをやっている」というのもその意味では正しい、ということになります。