12月の米国株マーケットの見通しとポイント
季節性アノマリーに従えば12月は強気相場の月です。実際、1950年1月~2020年5月までのS&P500の12月平均リターンは+1.5%となっています。
また12月は景気の先行指標であるCPIの発表が13日にあり、次回FOMCは13~14日に開催されます。年初から悩まされてきたインフレが鈍化し、FOMCで利上げ減速をいつ始められるのか、今後の金融政策の道筋がハッキリするため、世界中の金融関係者が注目することになるでしょう。
またクリスマス商戦も見逃せません。コロナ禍においては世界中で外出に制限があったため、ネットを利用した買い物需要に溢れました。しかし今年は徐々にコロナ前に近づいており、旅行需要なども回復しています。そのためホテル銘柄や航空銘柄などの株価が今後どのように反応するのかも注目です。
同時に、警戒しなければならないのが「タックスロス・セリング」です。これはあえて保有していたポジションを処分して損を確定させ、それまでの実現益と相殺することで少しでも納税を軽減させようとする動きです。例年12月中旬から年末にかけて活発になります。特に標的となりやすいのは、今年IPOしたばかりの若い銘柄でチャートも右肩下がりである場合です。
おわりに
2022年もあと1カ月となりました。今年は米国株投資家にとっては長く厳しい時期が続いています。
そんなときこそ、自分自身の投資のテーマや目標を考えるキッカケにもなるのではないでしょうか。もちろん長期投資は山あり谷ありですが、本来、資産は焦らずじっくりと育むものです。
一番のリスクは投資をやめてしまうこと。今こそ投資を続ける絶好の機会だと筆者は考えます。
執筆/鈴木 林太郎
金融ライター、個人投資家。資産運用とアーティスト作品の収集がライフワーク。どちらも長期投資を前提に、成長していく過程を眺めるのがモットー。Webメディアを中心に米国株にまつわる記事の執筆多数。