2020年2月に突然のコロナ襲来

年が明けた2020年もこうしたペースで、2月に入って「第3・四半期報告」の時期がやってきました。

当時の手帳を繰ると2月20日ごろまでは従前通り、対面での四半期報告を受けていました。

それが週が変わって2月の最終週になるとーー

【26日】不動産投資顧問会社のセミナーが中止。講師に予定されていた米国人が急遽アメリカに帰国することになった
【28日】企業年金連絡協議会の「春の研修会」が中止。「新型コロナウイルス感染防止のため」とのこと

3月に入り、米連邦制度準備理事会(FRB)がマイナス0.5%の緊急利下げを実施したあたりから、あらゆる会合が次から次と中止に追い込まれていきました。

そして4月。新年度入り早々の7日、当時の安倍首相が「緊急事態」を宣言しました。この日から、私たちの基金も「在宅勤務」をスタート。オフィスに置きっぱなしだった重たいA4サイズのノートパソコンを自宅に持ち帰りました。

年金運用はオンラインに向いた仕事

7都府県に当初「5月6日まで」とされていた緊急事態宣言が延長され、そして解除され、といったことが繰り返されているうちに、私たちの仕事もできるところからオンラインに移行していきました。

企業年金基金事務局の仕事は多岐にわたります。信託銀行や運用会社とのデータのやりとりや、運用を巡る相談や判断。年金受給者からの問い合わせなど。いざ、オンラインによる業務を始めてみると、扱う金額は大きいのですが、仕事自体は資産運用が一番、リモートワークに向いていると思えてきました。

確かに最初は、相手の表情が読みにくいとか、Wi-Fiが不安定でビデオ会議がつながりづらいといったこともありました。しかし、ある程度慣れてくると、質疑応答もそうストレスなくできますし、通勤もしなくていい、と時間を効率的に使える良さを感じ始めました。

企業年金の運用担当者の大事な仕事の一つに、信託銀行や運用会社などが主催する運用や経済動向に関するセミナーの受講があります。これも以前は各社のオフィスやホテルなどでのリアルなものでしたが、コロナ下でオンラインに切り替わり、4月中旬には早くも外資系の運用会社などがいわゆる「webinar」を始めています。

私はこうしたオンライン・セミナーを聞くだけでなく、企業年金の集まりである企業年金連絡協議会で、会員向けのセミナーも企画・実行することになりました。信託銀行、運用会社、コンサルタントの方たちにパネリストを務めていただくパネルディスカッションを行ったのですが、事前の3回ほどの打ち合わせから本番まで、ただの一度も直接お会いしないまま、開催しました。