日本の投信市場で長期の実績を誇る「グロイン」がランク入り

同率で2位となったのは、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」。インデックスファンドとして初めて純資産残高が1兆円を超えた同ファンドだが、マーケットの低迷を受けてやや注目度が下がった今こそ狙い目だという見方もあるのだろう。「今後、景気後退から拡大期に戻るスピードが速いと期待している」(メガバンク・本部)。「今後のアメリカ経済の成長を見込み、手数料も安くインデックス型で分かりやすい」(東海地方の地銀・支店)。

4位にも同じeMAXIS Slimシリーズの「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」が入った。「経済状況が不安定な中、長期投資を行うのであれば世界全体を丸ごと買う、全世界株式が向いていると考えるため」(東海地方の地銀・本部)。「低コストで世界株全体に投資可能であるため、運用の柱となる」(東海地方の地銀・支店)。前回のランキングの上位は全てアクティブファンドだったが、今回は今やインデックスファンドの代名詞ともなったこの2ファンドがランク入りする結果になった。

5位の「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド」は「グロイン」の通称で知られ、日本の投信市場で長らく人気を集めてきたファンドだ。主な投資対象は世界の高配当利回りの公益株であり、グロース系の株式ファンドのパフォーマンスが低迷する中で、再び支持されたということだろう。「景気後退が懸念されているため、ディフェンシブ資産も組み入れたいと考えます」(関東地方の地銀・支店)。

今回の5ファンドのうち4本はいずれも上位の常連だが、そこに「グロイン」が食い込んできたのが今の相場環境を反映した傾向と言えるだろう。引き続き不透明なマーケット環境が続く中、潮目が変わりつつあるのかもしれない。