終身で受け取れる公的年金は1回でも多く
年金の「繰下げ」をするとおトクになる

老後資金の柱となる公的年金は、できるだけ金額を多くしたいもの。公的年金には老齢基礎年金と老齢厚生年金があり、原則65歳から受け取れますが、実際はどちらも60歳から70歳の間で、また月単位で受取時期を選ぶことができます※。
※ 2022年4月から、年金の受給開始時期は60~75歳に選択の幅が拡大される。
また、繰上げの減額率は0.4%に変更になる。

「早く受取をスタートしたほうが長くもらえてトクでは」と考えるかもしれませんが、受給開始を1カ月繰上げると受給額は0.5%減、1年で6%減ります。つまり、60歳から受取開始だと、65歳からの受給に比べて30%も年金額が減少します。

反対に、受取開始を1カ月繰下げると受給額は0.7%増、1年で8.4%増額します。70歳からの受取開始にすると、65歳からの受給に比べて142%と大幅にアップし、その増額は一生涯続きます。繰下げによる年金額アップは、人生100年時代には有効な手段といえます。

ただし、繰下げをすると当然年金を受け取れない期間ができます。70歳まで繰下げると65歳からの5年間の生活資金をどうするか、という問題をクリアにしてから、検討するようにしましょう。