・恐るべき中国の「非伝統行事」…数日で16兆円飛び交う“独身の宴”

2007年10月26日、英会話業界に大きなニュースが飛び込んできました。業界のおよそ6割のシェアを握る大手「NOVA」が経営破綻したのです。NOVAは前払い制だったため、授業料を支払ったにもかかわらず英会話を受けられないという苦情が殺到し、消費者問題にも発展しました。

NOVAの破綻は市場を一気に冷やします。2006年の外国語会話教室の受講生はおよそ956万人でしたが、2010年は約400万人にまで急減しました。リーマンショックの影響もありますが、これほど短期間で利用者が減少した業界も珍しいでしょう。

【外国語会話教室の受講生数】

経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」より著者作成

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なぜ業界トップ企業が破綻したのでしょうか。経緯を振り返りましょう。

英会話大手が439億円の負債を残し破綻

NOVAは東証(ジャスダック)にも上場する大手企業でした。テレビCMで多くの受講生を集め、その数は2006年3月末で47万5000人に達していました。

しかし受講生との間で解約トラブルが多発するようになると、NOVAの経営は傾き始めます。NOVAは授業料を前払い式で徴収していましたが、途中で解約した場合は金額を割り引いて未受講分を返還していました。これに不満を持った受講生が訴訟を起こし、NOVAに支払いを命じる判決が相次ぐと、NOVAのイメージは急速に悪化します。

さらに2007年6月、特定商取引法違反でNOVAに業務停止命令が下されました。信用失墜は決定的となり、業績の改善も望めないことから、同年10月26日に会社更生手続きの開始を申し立て経営破綻します。負債総額は2007年7月末時点で439億200万円に上りました。