“ほどよい投資”成功のための3つの基本

リスク許容度の項で述べたように、リスクとリターンは表裏一体の関係にあり、投資をする以上、リスクから逃れることはできません。

“ほどよい投資”を成功させるためには、リスクをできるだけ少なく抑えるのがコツです。それには、次のような手段が有効です。

まずは「短期で成果を求めるのではなく、長期的なスタンスで投資する」ことです。

仮にあなたが65歳での完全リタイアを考えているのだとしたら、50代から投資を始めるとしても、10年以上の時間があります。

株価のチャート(グラフ)をご覧になるとわかりますが、1日単位では大きく上下していても、期間が3年、5年となるとカーブがかなり緩やかになってきます。つまり、長期運用であればリスクが平準化し、安定したリターンを得やすくなるわけです。

さらに「投資対象や投資の時期を分散する」ことも大切です。

たとえば、特定の株式の一点買いだと、万一その会社が経営破綻したときに投資したお金が全部消えてしまいます。しかし、別の業種の株式にもいくつか投資していれば、そのうちのどれかが業績好調で株価も値上がりし、マイナス分をカバーできるかもしれません。

同じ株式を買うにしても、何回かに分けて買うこともポイントとなります。投資のビギナーがしがちな失敗として、株価がピークを迎えた頃に買ってしまう“高値づかみ”が挙げられます。しかし、購入時期を分散すれば、これを避けることができます。

最後の3つ目が、自分が購入した銘柄の値動きを気にしすぎないことです。市場が暴落した日などは気になって仕事が手につかないという人もいますが、私は、「投資したことを忘れている」くらいがちょうど良い距離感だと思います。

POINT
1に長期投資、2に分散投資、3に投資を忘れる

お金がなくてもFIREできる

 

井戸美枝著
発行 日経BP
   日本経済新聞出版
定価 900円+税