数日で約16兆円売り上げる「独身の日」とは

百貨店が近年苦戦している理由の1つにEC(電子商取引)があるといわれています。ECとはインターネット上で商品を購入することなどを指します。販売が減少傾向にある百貨店とは対照的に、ECの市場規模はこれまで順調に拡大してきました。

【EC市場規模(物販系分野のBtoC市場)】

経済産業省「電子商取引に関する市場調査(令和3年度)」より著者作成

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日本のECは海外に比べると遅れているといわれています。特に中国はECが盛んで、「独身の日」には莫大な売り上げを記録することで毎年注目を集めます。

独身の日は、毎年中国で11月11日に祝われる「光棍節(こうこんせつ)」のことです。独身を連想させる「1」が並ぶことから、11月11日が独身の日となりました。伝統的な行事というわけではなく、1990年代に若者の間で流行したことが起源といわれています。

現在では、独身の日はEC企業がバーゲンセールを行う日として定着しました。セールの規模は年々拡大しており、近年では11月11日だけでなく数日間行われるようになります。2021年も各社がキャンペーンを打ち、報道によるとEC大手2社でおよそ15兆8400億円を売り上げたようです。

日本もEC化を推進するためさまざまな施策を進めてきました。ECは場所や時間を選ばず取引できるメリットがあり、拡大傾向にある市場に日本も期待しています。

百貨店も多くがオンラインストアを開設しています。直接お店に行く楽しみも捨て難いですが、忙しい人や近くに店舗がない人はオンラインストアをのぞいてみてはいかがでしょうか。年末のバーゲンに備え、今のうちにオンラインストアで目星を付けておくのもよいかもしれません。

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。