相談者の悩みの根本にあるのは「判断能力が衰えてからのお金の管理」

そもそもの秀子さんの相談は、「金融機関から提案された外貨建ての終身保険に加入すべきか」ということでした。

しかし、お話をうかがっているうちに、秀子さんが潜在的に悩んでいる別の問題が浮かび上がってきました。それは、認知症などで判断能力が衰えてからの、自分のお金の管理についてです。オレオレ詐欺に遭って、自分の判断力の衰えを自覚したことが大きく影響しているのだと想像されます。

秀子さんは将来自分1人で生活できなくなったら、老人ホームなどの施設に入ろうと考えていました。ただ、そうなってからは長男夫婦が秀子さんのお金を管理して、施設に入る手続きなどをする確率も高いでしょう。

長男夫婦に“冷遇”されている秀子さんからすると、彼らに自分のお金を預けるのは避けたいところです。実際に、親の財産を管理する子どもが、そのお金を親のためでなく自分のために使ってしまうケースは少なくありません。

そうなると、その解決策は生命保険ではなく、そもそもお金の管理を誰に託すのかという根本を考えたほうが良さそうです。