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「終活」サービスのいろいろ

終活という言葉は2009年に雑誌で使われたのが最初といわれていますが、ここ数年で一気に普及した感があります。終活という言葉でイメージする内容は、お墓や葬儀の手配、相続のこと、終末医療のこと、身の回りの物を整理すること、など人によってさまざまです。

筆者らが過去に行ったインタビューでは、高齢者が終活として具体的に手を付けているのは、身の回りの物を捨てて整理することが主で、それもさほど進まないという話が多く聞かれました。お墓や葬儀、相続のことは誰に相談していいのかも分からないですし、いつそういった相談をすべきなのかも分からないのでつい後回しにしてしまう、というのがそのときの高齢者の心情でした。

そもそも、自分や家族が死んでしまうという、どちらかというとネガティブな場面の話ですし、これまでにしたことのない手配がたくさんあるとなれば、考えるのもおっくうになるのは当然といえます。

お墓、葬儀、相続、介護といったものは、それを利用する必要性が生じたときには、当然のことながら当人の状態はあまりよいとはいえないか、あるいは亡くなっていて自分で手配ができなくなっています。さらに、これらを代わりに手配してくれる親族がいないことも増えています。元気な間は自由に人生を謳歌できても、弱ったとき、亡くなったときは自分の望みはかなえられなくなってしまうリスクが高いのです。