年間投資枠と対象年齢の拡大の具体案はどうなっている?

2.年間投資枠(非課税限度額)の拡大

現状、つみたてNISAの年間投資枠は40万円で、非課税限度額は800万円(40万円×20年)である。同様に、一般NISAの年間投資枠は120万円で、非課税限度額は600万円(120万円×5年)となっている。

これを、本家英国のISA(アイサ、年間2万ポンド=約320万円)並みの水準に引き上げるべきという声は以前からあり、日本証券業協会が7月に発表した提言でも同様の要望が盛り込まれた。具体的には一般NISAの年間投資枠を120万円から240万円に、つみたてNISAを40万円から60万円に引き上げ、さらに2つの制度を併用可能とし、年間投資枠の合計を300万円とする案が示されている。

3.つみたてNISAの対象年齢拡大

現状、つみたてNISAの対象年齢は20歳(2023年1月1日以降は18歳)以上だが、ジュニアNISAが2023年末に廃止されることを受け、この年齢を未成年者にまで拡大するという案が検討されている。

筆者の個人的な見解として、資産継承や金融教育の観点でも、現行のつみたてNISAの基本的な仕組みはそのままに、対象年齢を未成年に拡大することには賛成だ。皮肉にもジュニアNISAは制度の廃止が決定した2020年3月以降に口座数が急増し、足元2022年3月末時点に80万口座を突破している。

ジュニアNISAを含む未成年口座は、両親や祖父母など二親等以内の親族によって運用管理がなされるので、つみたてNISAの口座数の伸びとともにジュニアNISAも増えている、というわけだ。実際に、ジュニアNISAとつみたてNISA、それぞれの口座数の増加率(前年同期比)は約160%で、ほぼ同じ水準となっている(なお、つみたてNISAの口座数は3月末時点で587万)。