ちなみに今は、日本株にアービトラージの機会が到来していると見ています。なぜなら、ウクライナ紛争の影響で中国に不穏な動きが出ないよう、米国がそれを牽制する政策を取ってきているからです。米国にとって日本は、アジアの同盟国ですから、中国に睨みを効かせるために重要な存在です。だから低金利政策を維持することで、ここまで急激に円安が進んでもあまり文句を言われていません。 円安によって日本の製造業は急速に価格競争力をつけてきています。 これからの日本株の動きを見るうえで、これは重要なポイントのひとつといっても良いでしょう。
スイス本部で経験したピクテの運用の根幹に触れる機会
2007年からはスイスのジュネーブにある、ピクテの本部で2年間、プロダクトマネジメントのセクションで働きました。
ここでは開発された商品のモニタリング、デューデリジェンス、リスクコントロールを行いつつ、どうやってアルファ(市場の超過収益)を出していくのか、アロケーションをどうするのかといった点を含めて、ピクテが世界中の顧客に提供している商品のすべてをコントロールしていました。
2009年に帰国して副社長に就任し、2011年から代表に就任しました。ちなみに、ピクテ・ジャパンの代表取締役社長であるのと同時に、実は今も本社のプロダクトマネジメント・コミッティ・メンバーとして、ピクテの運用の根幹に触れる機会をいただいています。
取材・文/鈴木 雅光(金融ジャーナリスト)