投信業界のキーパーソンにロングインタビューする投信人物伝。シリーズ第5回は「ピクテ・ジャパン」の代表取締役社長である萩野琢英氏に話を伺いました。ピクテは200年以上の歴史を有し、世界の富裕層の資産を守り続けてきたプライベートバンクです。長期分散投資という資産管理・運用哲学を有し、徹底した資産保全型バランス運用で、顧客の信頼を獲得してきた歴史があります。その日本法人のトップである萩野氏に、ご自身のキャリアを振り返ってもらいながら、ファンドの運用や投資スタンス、ピクテが目指す日本での資産運用ビジネスの在り方などについて伺いました。

新生ピクテが7月から始動。日本法人名を変更

読者の皆さんは「ピクテ」という会社をご存じでしょうか。恐らく日本では、まだそれほど高い知名度を持っているとは言えないかも知れません。

でも、その歴史は非常に長く、日本の江戸時代、1805年まで遡ることができます。実に217年もの間、世界中の富裕層の資産を守り続けてきた、生粋のプライベートバンクです。そして、その日本法人がピクテ投信投資顧問なのですが、実は先日、会社名を「ピクテ・ジャパン」に変更しました。

実はこの社名、先祖返りといっても良いのかも知れません。ピクテの日本法人が設立されたのは1981年のこと。さわかみ投信の創業者である澤上篤人氏が代表を務め、ピクテ・ジャパンとして活動していました。

ピクテ・ジャパン代表取締役社長 萩野琢英氏

その後、社名をピクテ投信投資顧問に変更し、日本では投資信託や年金などの運用ビジネスを展開してきたわけですが、この度、グローバル規模で幅広く資産運用業を展開するピクテ・グループの日本拠点であることを明確にするのと共に、従来の投信業務、投資顧問業務から、将来の新しい資産運用業の在り方を追求するという意味を込めて、7月1日からピクテ・ジャパンを名乗ることにしたのです。