「年金払い退職給付」をざっくり試算する方法

最後は、いよいよ「年金払い退職給付」の見込み額。今40歳として65歳時点で受け取る「年金払い退職給付」がどれくらいになるのか、ざっくりと試算してみましょう。

まず、毎年5、6月頃、公務員の皆さまのお手元に届く「給付算定基礎額残高通知書(払込実績通知書とも言います)」を用意します。チェックすべき数字は3月末の残高。例えば、50万円とします。これは平成27年10月以降、毎月の給料とボーナスの1.5%を労使折半で積み立てて、それに利子を加えた金額です。

つぎに、60歳までの年数と平均年収を考えます。今40歳だと、あと20年、平均年収を600万円とします。60歳までに積み上がるのは、600万円×1.5%×20年で180万円、残高の50万円とあわせると230万円になります。今、基準利率は0%なので、65歳時点の残高もそのまま230万円とします。

さて、「年金払い退職給付」の受け取り方法は、半分が終身年金でもう半分が有期年金(10年か20年)でしたよね。その計算式は以下のとおりです。

(終身年金)65歳時点の残高×1/2÷終身年金原価率
(有期年金)65歳時点の残高×1/2÷有期年金原価率

それぞれの原価率は地方公務員共済組合連合会のHPに掲載されています※2。65歳だと終身年金の原価率は23.033747、有期年金(20年)の原価率は20.000000です※3。上記式で計算すると、終身年金が4.99万円、有期年金(20年)が5.75万円、合計で10.74万円になりますので、毎月9千円くらい年金が増えるイメージです。ちょうど、「へそくり」っぽい金額になりましたね(笑)。ご参考まで。

※2 地方公務員共済組合連合会HP「地共連の定款で定める事項(基準利率等)
※3 どちらも基準利率0%の原価率