では、続きまして、個別ファンドではどのようなファンドに資金が流入しているのか確認しましょう。今回は外国株式型と国内株式型の2つのアセットクラスについて見てみます。まず、外国株式型の月間資金流入額上位15ファンドについて確認します。ランキング表のとおり、上位15本のうち13本までがMSCIコクサイなどの世界株価指数に連動するパッシブファンド、インデックスファンドとなりました(図4)。世界の株式市場に投資をするという商品性の分かり易さと運用中に手数料として差し引かれる運用管理費用の安さから人気が集まっているものと思われます。
図4 2022年7月 外国株式型(DC専用ファンド) 拡大画像表示
一方、国内株式型の月間資金流入額上位15ファンドでは、アクティブファンドが1位と2位にランクインするなど、外国株式型とは対照的なランキングとなりました(図5)。ここでは1位の「フィデリティ・アクティブ・グロース・ファンド(確定拠出年金向け)」と2位の「ひふみ年金」について説明します。
図5 2022年7月 国内株式型(DC専用ファンド) 拡大画像表示
「フィデリティ・アクティブ・グロース・ファンド(確定拠出年金向け)」は、名前の通り、グローススタイルに特化したアクティブファンドです。日本最大規模の純資産残高を有する「フィデリティ・日本成長株・ファンド」と同一のマザーファンドに投資します。運用は豊富な経験を有するアナリスト等の徹底したボトムアップリサーチによって行われます。
「ひふみ年金」はレオスキャピタルワークス社が運用する、ひふみ投信、ひふみプラスと同一のマザーファンドに投資するDC向け投信です。ひふみシリーズは長期に亘って良好な運用実績を収めてきたことから、市場の注目度が高い商品です。また、最近では国内株式だけでなくアメリカなどの外国株式にも投資している点が特徴として挙げられます。
——直近DC向けにどのような商品が設定されたか教えていただけますか?
7月は新規設定されたファンドはありませんでした。DC市場のみならず公募投資信託市場全体に言えることですが、新規設定ファンドの本数は近年減少しています。市場全体が低調と言うマイナス面がクローズアップされがちですが、新規設定ファンドの減少は長期の運用実績を有する信頼性の高いファンドが支持されているということの裏返しかもしれませんね。
以上、パフォーマンス動向、資金流出入動向、新規設定ファンド動向をお話しさせていただきました。