——今月のDCファンドの状況について教えてください。
ここではDCファンドの資金流出入動向について確認します。まずは図3左のグラフをご確認ください。当月の資金流出入額は約520億円の流入超となりました。前月の1,560億円から約1,040億円減少しました。資金流入額は、多い順に、複合資産型(245億円)、外国株式型(160億円)、外国債券型(60億円)となりました。当月も前月に引き続き資金が流出したアセットクラスはありませんでした。

次に図3右側のグラフをご覧ください。直近6ヵ月の資金流出入額の累積は、外国株式型が1,760億円、複合資産型が1,640億円と人気を二分しています。市場の傾向として、若年層の加入者が外国株式型で運用する一方、シニア層の加入者は複合資産型で運用する傾向があるようです。一般的に若年層のリスク許容度は高い傾向にありますから外国株式で運用する人が多いですが、シニア層のリスク許容度は一般的に低い傾向にあり、相対的にリスクが分散された複合資産型ファンドで運用する人が多くなっているものと思われます。

図3 ファンド分類別 月間流出入額推移(DC専用ファンド) 拡大画像表示

※ 公社債投信等を除くDC専用ファンド  出所:三菱アセット・ブレインズ

そのほかのアセットクラスでは、外国株式型、複合資産型から大きく離れる形ではありますが、国内株式型に約400億円の資金が流入しています。国内株式型は根強い人気のあるアセットクラスですが、他方で市場環境に合わせてパッシブファンドなどを機動的に売買する加入者もいるようです。直近6ヵ月の国内株式市場は比較的軟調に推移しましたから、押し目買いの動きが強まり資金が流入したとも考えられます。