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先日、ロシアが「デフォルト」に陥ったという報道がなされました。デフォルトとは通常、債券の発行者が利息や償還金の支払いを怠ることをいいます。

今回のロシアにおけるデフォルトは、ロシアに対する経済制裁の一環で、国際決済機関がロシアの利払いを受け付けなかったことで起こりました。ロシアは支払い能力があるとし、デフォルト報道に反発しています。

しかし、ロシア財政はおよそ24年前、本当に危機的な状況に陥りました。いわゆる「ロシア財政危機」です。ロシアに何が起こったのか、その経緯を押さえましょう。

ロシアがデフォルト。ルーブルは変動制へ

ロシア財政危機の背景には「アジア通貨危機」がありました。アジア通貨危機とは、タイを中心に起こった東アジア諸国の急激な通貨の下落をいいます。

東アジア諸国の多くは、自国通貨を米ドルと連動させていました。そのような状況で、アメリカは1995年ごろから「強いドル政策」を実施し、米ドル高が進展します。米ドルと連動している国々の通貨も上昇し、それまで経済成長をけん引した輸出が伸び悩んだことから、経常収支が悪化するようになりました。

これらの影響で、タイなどの国々は米ドルとの連動停止に追い込まれ、通貨が急落します。自国通貨の下落に伴い対外債務が増加したことから、東アジア諸国はIMF(国際通貨基金)に支援を求めました。支援に伴って実施された緊縮政策が景気を冷やし、世界的な不況が訪れます。これがアジア通貨危機の経緯です。

アジア通貨危機はロシアにも影響を与えました。もともと輸出の大半を占めていた天然資源価格の低迷に伴い財政が悪化していたところ、アジア通貨危機に伴う世界的な景気低迷がロシア経済を苦しめます。またアジア通貨危機に伴い、新興国から資金を引き上げる投資家が多かったことも、ロシアにとって逆風でした。