資産運用を考える上でも、日銀総裁の後任人事は注目

これまでの発言を踏まえると、黒田総裁は物価高や円安をある程度のリスク要因と捉え始めてはいるものの、対策については依然考慮していないと思われる。また、国内企業の堅調な企業活動や賃金の上昇を伴った「2%の物価安定目標」に向けて、安易に政策変更はしないという固い決意もうかがえる。

歴代最長の就任期間となる黒田総裁の任期は2023年4月8日まで。残り数カ月の在任期間中に、大胆な政策の見直しを行うとは考えにくいだろう。今後、日銀の大きな政策転換の節目は総裁の交代時となる可能性が高い。

2022年7月10日の参院選が終わり、与党内で日銀総裁の人事も本格化するとみられる。後任人事の方向性によって、為替や国内のインフレの見通しも大きく変わる可能性も十分にある。資産運用を考える上で、これから日銀総裁人事の動向は要注目のテーマだ。