ミドルシニアへの企業人事目線には両面あり

私たち定年後研究所は、「ミドルシニアの活用」に関して、大企業の人事担当者に継続的にインタビューを行っています。そこでは、公表されたことをヒアリングするのではなく、「一歩先」の見通しを、人事担当者の個人的な考えも聞かせてもらっています。

そこで感じるのは、ミドルシニア社員へのまなざしには「両面」があることです。大量採用世代という「一塊」で捉えようとしない企業人事担当者の冷静な思考です。

役職定年や再雇用を機に、モチベーションダウンが顕著に見られ、またスキルのアップデートに取組もうとしない層への厳しい目線も強く感じます。

一方で、前述の通り、豊かな経験や、幅広くかつ長期にわたって培った人的ネットワークを積極活用しようとする考えも数多く聞かれました。

つまり、昇進昇格に一定の差異はあったものの、総じて一律的な「年齢軸」で人事管理をしていたこれまでの雇用慣行から、今後は「人物軸」での人事管理・人材活用への転換の意思を人事担当者からは窺うことができます。ミドルシニア社員には、ぜひこのような意思も理解していただきたいと思います。