毎月分配型投資信託に潜む問題点

次に、確認したのが投資信託の運用実績。金融機関に勧められて買ったとのことで、すべて毎月分配型です。運用成績はどれもパッとせず、中でも海外債券に投資するタイプの商品の成績が不振で純資産額が少ないことが気になりました。

なんとそのファンドの純資産額は10億円程度しかなかったのです。投資信託では運用資産が少なすぎると効率的な運用ができないため、期待した成果が上がらない恐れが出てきます。その場合、信託期間の途中で運用をやめて投資家に信託財産を返還する、「繰上償還」が行われる可能性があるのです。繰上償還になると、値下がりして含み損のある状態であれば、損失が確定してしまいます。繰上償還が行われる条件は投資信託の目論見書に「ファンドの純資産総額が○億円を下回ることとなった場合」のように記載されています。

また、成美さんは受け取った分配金をそのままにしていました。使う予定のない余裕資金であれば、分配金を受け取らずに再投資したほうが複利効果で資産を成長させられます。また、分配金の頻度は少ないほうが、運用効率は良くなるのです。

「投資信託は住宅ローンでお世話になった銀行の人に勧められて、断りづらくて。私は貯金と投資信託の違いにも関心がなく、今日やっと、損をしていることが分かりました。本格的に資産運用のアドバイスを受けたほうがいいですね」と成美さん。