実は増え続ける若者の投資詐欺の被害

これは暗号資産に関する相談件数も同じで、PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)に寄せられた相談件数を見ると、2020年度の相談件数が3344件だったのに対し、2021年度のそれは5466件まで大きく伸びています。

また、年代別の相談割合の推移を見ると、興味深いのは年々、年齢の若い人たちの相談割合が増えていることです。

2016年度の数字を見ると、60歳代以上の相談割合は47%でおよそ半数近くを占めていました。それが年々低下傾向をたどり、2020年度は26%まで低下しています。一方、30歳代以下で見ると、2016年度の相談割合は22%でしたが、2020年度には43%まで上昇しています。ちなみに2021年度は、30歳代以下が34%に低下、60歳代以上は28%で前年度とほぼ同じでしたが、40歳代と50歳代の比率が上昇しました。

昔から、この手の資産運用詐欺に引っ掛かるのは高齢者と言われていましたが、最近はやや状況が違ってきているのかも知れません。利殖勧誘事犯の相談受理件数についても、相談当事者の年代別構成比の推移を見ると、2017年は65歳以上が42.2%もあったのに、2021年は15.2%まで低下。対して20歳代は8.8%から18.3%に上昇、30歳代は7.8%から18.3%に上昇、40歳代は11.1%から18.4%に上昇、となっています。

「国民生活」では、暗号資産に関する消費者トラブルの相談事例も掲載されています。もちろん、ここに掲載されているのは一例に過ぎないため、全体像を示しているわけではありませんが、暗号資産取引に絡む消費者トラブルのパターンを把握するうえで役に立つと思います。