CO2削減に不退転な取り組みを進めるティーンエイジャー

2018年8月、スウェーデンの15歳(当時)の少女グレタ・トゥーンベリは、同国の国会議事堂前で気候変動対策を訴えて座り込みを始め、学校への登校ストライキを始めた。毎週金曜日にストライキをするこの運動は“Fridays For Future”(未来のための金曜日)と名付けられ、世界中の若者がこの運動に参画する動きが広がった。温室効果ガスによる地球温暖化に対する危機感は、若者ほど深刻だ。

アジアでもインドネシア・バリ島で、2013年に当時12歳のメラティ・ワイゼンが同10歳の妹イザベルとともに、海岸に流れ着く多くのプラスチック廃棄物の削減が必要だと立ち上がった。「バイバイ・プラスチックバッグ」というキャンペーンを開始し、まずはスーパーからプラスチックの袋に買い物を詰め込んで出てくる人たちに、布で作った袋を手渡すことでプラスチック袋を回収する運動を始めた。賛同する若者の輪が広がるとともに、手渡す布袋の材料となる古着やシーツなどを提供する店やホテルなども続出。2019年にはバリ島全体で、使い捨てプラスチックの袋・ストロー、さらには発砲スチロール製品の使用を禁止することにまで発展した。この運動は現在、世界30カ国で60のチームが取り組むまでに拡大する。