資産形成のツールの1つとして確定拠出年金を利用して10年以上経過しています。これまでなんとか大きな失敗をせずに続けて来ていると思っていますが、小さな失敗や戸惑いを感じたことはあるので、今回はその紹介と対応策などを、皆さんにお伝えしたいと思います。

ぜひ私のようなミスをしないように参考にしていただければ幸いです。

自営業時代には、国民年金の納付を忘れ残念な結果に

自営業やフリーランスの皆さんにとって、”自分年金”作りとして有効なのがiDeCo(個人型確定拠出年金)です。

ここは大事な所なので、おさらいをさせて下さい。私たちは「国民皆保険(国民は必ず公的年金制度に加入する)」という特徴がある公的年金保険制度に加入しています。しかし、働き方によって加入している年金制度が違います。

まず20歳以上の全ての人は共通して”国民年金”に加入しています。

さらに会社員・公務員の方々は、”厚生年金保険”に加入しており、いわゆる2階建てになっています。

自営業の皆さんは、1階部分の国民年金にしか加入していないため老後の年金が少ないのです。

寄り道になりますが、厚生労働省年金局が集計している、令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況(https://www.mhlw.go.jp/content/000872907.pdf)を見てみましょう。

出所:令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況より

国民年金(老齢基礎年金)を新たに受け取り始めた人の平均は 54,421円/月、一方で老齢厚生年金の平均は、男性164,742円/月、女性103,808円/月となっており、厚生年金と国民年金では大きな差があるのです。

国民年金だけの自営業の方達は、より老後について考えておく必要があると言えるでしょう。その国民年金の薄さをカバーできる制度の1つに個人型確定拠出年金があります。加入できる限度額も自営業の場合は毎月68,000円と大きくなっています。前回もお話しましたが、iDeCoでは自身が積み立てたお金が所得控除となり、所得税・住民税が抑えられる仕組みになっています。金額が大きいだけに節税効果も大きいのです。

ですが、せっかくの節税効果も、そもそものベースとなる国民年金に加入していないと、iDeCoには加入できず享受できないのです。

そこで私のミスの話です。
ある日、銀行口座に入金があったのでラッキーと思いました。しかし、調べてみると実はiDeCoの還付金でした。なんと、国民年金1か月分納付が出来ていなかったため、積み立てたお金が還付、戻されてしまったのです。しかも手数料が意外と掛かるのです。一般的には、1,448円(国民年金基金連合会 1,048円、金融機関 440円)ですが、2,148円という金融機関もあるようです。

もったいないのは、手数料だけではありません。還付されてしまったので、積み立てができなかったことになります。その結果、その月の分の所得控除も受けることができませんでした。

国民年金は2年以内でしたら納めることができますが、iDeCoはできませんので、ダブルでがっかりすることになります。ご注意ください。