帝国データバンクが3月4日に発表した「全国社長年齢分析調査」によると、2021年の社長の平均年齢は60.3歳で、調査を開始した1990年から31年連続で過去最高を更新しました。すでに日本は「高齢化社会」を過ぎて「超高齢社会」に入っていますが、その波は企業経営者にも及んでいます。

企業の後継者不足で、社長の高齢化がさらに拡大

個別にデータを見てみましょう。まず年代別の構成比です。全体に占める各年代の社長が占める割合ですが、2021年は以下のようになりました。カッコ内の数字は、2020年のものです。

30歳未満・・・・・・0.2%(0.2%)
30代・・・・・・3.2%(3.4%)
40代・・・・・・17.1%(17.5%)
50代・・・・・・27.6%(26.9%)
60代・・・・・・26.9%(27.3%)
70代・・・・・・20.2%(20.3%)
80代以上・・・・・・4.7%(4.4%)

同レポートによると、社長が交代した企業において、社長交代前と後の平均年齢は、交代前が68.6歳だったのに対して、交代後は52.1歳となり、平均で16.5歳の若返りを果たしたことになっています。上記の年齢別の構成を時系列で見ると、50代の比率が2016年以降、年々上昇しているのは、50代に経営のイニシアティブが移っているからと考えられます。

ただ、だからといって社長交代がスムーズに移行しているのかというと、実はそうではありません。同じく時系列で社長の年齢別構成比をみると、70代と80代以上も、2016年以降は右肩上がりで上昇しているのです。この年代で年々、社長の構成比が上昇しているのは、後継者へのバトンタッチが上手く行っていないことが原因と思われます。

実際、同レポートでは社長の年代別に後継者の有無を確認していて、その数字は「60代」が約半数、「70代」が約4割、「80代以上」が約3割、それぞれ後継者が不在であると回答しています。これはなかなか深刻な問題です。後継者が見つからない会社はどうなるのかというと、事業の継続が難しくなります。結果、自主廃業の道を選ぶしかなくなります。