金融庁は2月25日、「金融サービス利用者相談室」における相談等の受付状況等を公表しました。金融庁の「金融サービス利用者相談室」に寄せられた相談件数を四半期ごとにまとめたもので、今回公表されたのは、2021年10月1日から12月31日までに寄せられた相談になります。
年々増加する詐欺的投資勧誘の相談件数
金融商品・サービス別の相談件数は以下のようになります。
1)預金・融資等に関するもの・・・・・・3742件(前期比+444件)
2)保険商品等に関するもの・・・・・・1725件(前期比+93件)
3)投資商品等に関するもの・・・・・・2640件(前期比+54件)
4)貸金等に関するもの・・・・・・490件(前期比▲32件)
5)資金移動・前払式支払手段等に関するもの・・・・・・196件(前期比+77件)
6)暗号資産(仮想通貨)等に関するもの・・・・・・1025件(前期比▲41件)
7)金融行政一般・その他・・・・・・1057件(前期比+126件)
8)詐欺的な投資勧誘に関するもの・・・・・・1808件(前期比▲25件)
9)貸し渋り・貸し剥がしに関するもの・・・・・・17件(前期比+3件)
詳細は金融庁のホームページに掲載されているので、チェックしてみて下さい。
本題に移りましょう。今回の相談件数で特に注目したいのが、「詐欺的な投資勧誘に関するもの」です。今期(2021年10月1日~12月31日)の数字は、前期(2021年7月1日~9月30日)に比べて相談件数自体は減っていますが、過去の傾向から見ると、2020年後半から急激に相談件数が増えています。時系列の数字を挙げると、表のようになります。
2019年1月から2020年6月にかけての相談件数は2ケタでしたが、2020年7~9月に212件へと増加し、その翌期にあたる同年10~12月には783件へと急増しました。さらに2021年4~6月には1000件に乗せ、同年7~9月には1833件まで大きく伸びました。寄せられた相談件数だけでなく、「うち被害あり」の人数も比例して大きく増加していることから、詐欺的投資勧誘に引っ掛かった人が近年、増加傾向をたどっていることが推測されます。