2022年2月、野村証券で多くの資金を集めたのは以下のファンドだった。
第1位「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」の概要
野村証券の2月ランキング1位は、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」だった。同ファンドはマイクロソフトやアマゾン・ドット・コムなど米国のIT・ハイテク株に投資するアクティブファンドである。2022年になり、米国のIT・ハイテク株の上値は重くなっている。FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げ観測が高まったことや、ウクライナ情勢の緊迫化によって投資家のリスク回避姿勢が強まったからだ。1月の基準価額は12.5%のマイナス、2月は1.54%のマイナスとなった。また、同ファンドは毎月決算を行い、決算日の前営業日の基準価額に応じた分配金をだすが、2022年1月は200円(2021年12月は300円)、2月は100円と1万口あたりの分配金額が下がっている。基準価額と分配金額が大きく下がっている中、3月以降も野村証券のランキング上位に入るかどうかに注目だ。
全体を見て:日経平均株価を対象にしたインデックスファンドが人気
2位の「野村インデックスファンド・日経225」、5位の「eMAXIS 日経225インデックス」は、日経平均株価を対象にしたインデックスファンドである。2月の日経平均株価は、米国の金利上昇懸念やウクライナ情勢の緊迫化によって上値の重い展開になった。24日には25,775.64円まで下落し、昨年来安値を更新している。ただ、日経平均株価を対象にしたインデックスファンドは、株価が下落する局面で買いが増える傾向にある。同じ日経平均株価を対象にしたインデックスファンドである「日経225ノーロードオープン」は、日経平均株価が昨年来安値を更新した2月第4週(21~25日)に約74億円の資金流入があったが、これは国内公募追加型株式投資信託(ETF除く)の中で2番目の大きさだった。同じ週に「野村インデックスファンド・日経225」と「eMAXIS 日経225インデックス」の資金流入額も増加しており、野村証券でも買いを入れた顧客が多かったと考えられる。3月も国内株式市場は不安定な状態が続いているが、株価が下落する局面では日経平均株価を対象にしたインデックスファンドに買いが入る可能性は高いだろう。