4社共通の傾向:S&P500種株価指数を対象にしたインデックスファンドが人気

2022年1月も、ネット証券ではS&P500種株価指数を対象にしたインデックスファンドの人気が高かった。各ネット証券のランキングは、以下の通り。

SBI証券
1位「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」
2位「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」

楽天証券
1位「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」

auカブコム証券
1位「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」

マネックス証券
4位「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」

S&P500種株価指数は1月24日に4,222.62ポイントまで下落し、1月の高値4,818.62ポイントから約14%下落した。米国ではインフレが加速しており、FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げ観測が高まったからだ。ただ、S&P500種株価指数は2021年に約27%上昇しており、同指数を対象にしたインデックスファンドの人気は高い。3月のFOMC(連邦公開市場委員会)まではボラティリティの高い展開が続きそうだが、S&P500種株価指数を対象にしたインデックスファンドへの資金流入が続く可能性は高いだろう。

全体を見て:日本株を対象にしたブル型ファンドにも買いが集まる

1月のネット証券では、日本株を対象にしたブル型ファンドにも買いが集まった。各ネット証券のランキングは、以下の通り。

SBI証券
3位「SBI日本株4.3倍ブル」

楽天証券
4位「楽天日本株4.3倍ブル」

auカブコム証券
2位「楽天日本株4.3倍ブル」

マネックス証券
1位「楽天日本株4.3倍ブル」
2位「SBI日本株4.3倍ブル」

日経平均株価は1月に下落。とくに1月第4週(24~28日)に急落し、日経平均株価は27日に26,044.52円の昨年来安値をつけた。しかし、日本株を対象にしたブル型ファンドは、株価が急落する場面で買いが増える傾向にある。1月第4週(24~28日)は「楽天日本株4.3倍ブル」に約99億円、「SBI日本株4.3倍ブル」に約65億円の資金流入があり、それぞれ国内公募追加型株式投資信託(ETF除く)で4位、7位の資金流入額となった。ネット証券では信用取引を利用し、短期で売買している投資家も多い。そうした投資家がレバレッジ型ファンドを短期での利ざや狙いで購入しているのだ。しかし、ブル型ファンドは基準価額が大きく下落するリスクもあり、長期での保有には向いていない。あくまでも短期的なリバウンドを狙う投資家が利用するべきで、投資初心者や長期保有を考えている投資家は利用しない方がいいだろう。