2022年1月、auカブコム証券で多くの資金を集めたのは以下のファンドだった。

第1位「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の概要

auカブコム証券の1月販売額ランキング1位は、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」だった。同ファンドは、米国を代表する株価指数であるS&P500種株価指数に連動する投資成果を目指して運用を行うインデックスファンドで、2021年12月末時点における騰落率は、以下の通り。

1カ月 4.2%
3カ月  13.3%
6カ月  16.8%
1年     44.5%

このように高いパフォーマンスをだしていることや、運用コストである信託報酬が年率0.0968%(税込)とほかのファンドに比べて低いことから投資家の人気は高く、「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2021」においても、第4位に選ばれている。ただ、S&P500種株価指数は1月24日に4,222.62ポイントまで下落し、1月の高値4,818.62ポイントから約14%下落した。FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げ懸念が高まったからだ。同ファンドの基準価額も、12月末時点における19,204円から1月26日には17,288円まで約10%下落している。その後も米国株式市場は値動きの荒い展開が続いており、2月以降もauカブコム証券のランキング上位に入るかどうかに注目だ。

全体を見て:日本株を対象にしたファンドが人気

日本株を対象にした「楽天日本株4.3倍ブル」「日経225ノーロードオープン「インデックスファンド225」の3本が上位にランクインしている。3位の「日経225ノーロードオープン」は、日経平均株価(日経225)に連動する投資成果を目指すインデックスファンドである。日経平均株価を対象にしたインデックスファンドは、株価が下落する局面で買いが増える傾向にある。日経平均株価は1月27日に26,044.52円の年初来安値をつけたが、1月24~28日の週には同ファンドに193.36億円の資金流入があり、これは国内公募追加型株式投資信託(ETF除く)の中で2番目の大きさだった。その後、日経平均株価は戻り歩調にあるものの、米国の利上げ懸念や国内における新型コロナウイルスの変異型「オミクロン株」の感染拡大によって、上値の重い展開が続いている。2月以降も、日経平均株価が急落する場面では同ファンドに買いが入る可能性が高いだろう。