投資家保護が適正になされるかに注目

課題も少なくないSPACだが、国内のスタートアップ支援という点では期待が集まる。民間からも成長企業の創出に向けた大きな動きがあり、東京証券取引所は2021年に「SPAC制度の在り方等に関する研究会」を発足。研究会はこれまでに4回開催され、欧米やアジア諸国のSPAC制度を参考にして、活発な意見交換が行われている。

東京証券取引所におけるSPACの研究会では「運営者と投資家の利害をどこまで一致できるか」「SPAC株式の販売対象をどこまで認めるのか」「償還の仕組みが重要」などと、個人投資家の保護に関する多くの意見が寄せられた。

日本では米国と比較して個人が投資に参加する割合が少なく、自己責任の考えもあまり浸透していない。今後は海外のSPAC制度をどのようにローカライズして、投資家保護に資する制度設計ができるかが大きな焦点となるだろう。