資金流入額トップ(6カ月累計)は「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」

6~11月の資金流入額トップは、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」だった。同ファンドは、アルファベットやマイクロソフトなど、米国の成長株に投資するアクティブファンドで、11月末時点における騰落率は、以下の通り。

  1カ月 3.6%
  3カ月 5.7%
  6カ月 19.3%
  1年    41.7%

同ファンドの11月末時点における純資産残高は1兆5,689億円で、追加型株式投資信託(ETF除く)の中でもっとも多い。11月も約1,260億円の資金が流入した。同ファンドは2014年9月に運用を開始したが、7年あまりの運用期間中に資金が流出したのは、2016~17年と2019年2月だけだった。とくに2019年からは好調なパフォーマンスを背景に資金流入額が増えている。今後もどれだけ純資産残高を増やしていくのかに注目だ。

資金流出額1位(6カ月累計)は「デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド」

6カ月累計の資金流出額トップは、「デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド」だった。同ファンドは、世界の上場株式の中から「ゼロ・コンタクト(非接触)・ビジネス」を行う企業の株式に投資を行うアクティブファンドである。そして、個別銘柄の選定においては、アーク社の調査力を活用する。11月は同ファンドから約318億円の資金流出となり、月次ベースで6カ月連続の資金流出となった。同ファンドにおける資金流出の原因の1つとして、パフォーマンスが悪いという点がある。11月末時点における騰落率は、以下の通り。

  1カ月 -10.97%
  3カ月 -10.73%
  6カ月   -5.66%
  1年          1.61%

同ファンドの業種別比率ではソフトウェア・サービスの42.8%が最大だが、米国長期金利が上昇傾向にあるなか、売られる傾向にある。運用助言を行っているアーク社の「アーク・イノベーションETF(ARKK)」も資金流出が目立ち、「破壊的イノベーション」を見込む銘柄に集中投資する同社の運用成績は悪化している。12月に入っても米国のテーパリング(資産購入の縮小)や利上げ懸念で、成長株の上値は重い。同ファンドからの資金流出はしばらく続く可能性が高いだろう。