所有する流動資産全体でポートフォリオを考える
美奈子さんは「投資は怖い」というイメージがおありなのだと拝察します。一方でただ、漠然と預金だけに偏っているのは良くないことも感じているのだと思います。
そこで、まず考えたいのは、遺産も含めた桜井家全体の資産のポートフォリオです。
桜井家の流動資産は、株式約21%、預金73%、ご主人のiDeCoが6%。現在、桜井家で唯一している資産運用は、資産割合が6%のiDeCoです。こちらはご主人と相談しながら、このまま継続していくことにしましょう。
目を向けたいのは、流動資産の73%を成す日本円の預金です。
桜井家には大学生の息子さんがいて、独立は見えているものの、足元では現金も必要となります。よって預金の1500万円は学費や予備費にとっておき、取り急ぎ使うつもりはない相続で受け取った2000万円は長期分散投資の視点で資産運用に回していくのがおすすめです。
では、どの割合で分散投資していくのがいいのでしょうか? 長期投資というのであれば参考にしてほしいのが、年金積立金管理運用独立行政法人(以下、GPIF)です。GPIFは厚生年金保険事業及び国民年金事業の安定に資することを目的としている組織です。まさに日本の年金の運用をしているプロがしているポートフォリオですので、こちらを参考にしない手はありません。
GPIFの資産構成割合は、国内債券25%、外国債券25%、国内株式25%、外国株式25%です。まずは、こちらの割合を参考にしながら、配分を決めていきましょう。
おすすめはこの割合での投資を叶えてくれるバランスファンドでの運用。あるいは、それぞれを投資対象とするファンドを購入し、時折、リバランスしながらGPIFのようなバランスを維持する運用です。