個別株と投資信託、どちらで資産形成するのが良い?

山川さんは、すでに老後資産のために個別株での運用をされていますね。

個別株を保有していると、値上がり利益だけでなく、配当金や株主優待まで受け取れるおまけがあります。また、個別株保有で株価上昇による利益を短期で得ることができますが、その一方で急落のリスクも抱えることになります。

これまでも、長年「優良株」と言われた株が大きく下がることが度々ありました。社会情勢の影響を受け、株価が急変します。企業が倒産等で上場廃止したら、それまでです。

一方、複数の銘柄を組み合わせている投資信託は、銘柄の入れ替え等はファンドマネージャーがやってくれます。そのため、運用コストは掛かりますが、個別株そのものを保有することに比べてリスクは少なくなります。

また、個別株を安く買って高く売ることは、簡単に見えますが難しいものです。平日お勤めをしている山川さんがずっと株価チャートを眺めていることはほぼ不可能でしょう。私設取引所で夜間取引ができることもありますが、参加者が少ない分、市場での取引より流動性に欠け、不本意な取引しかできない場合もあります。

その点、投資信託はリアルタイムで値動きするのではなく、一日の株式や債券の取引が終わったのち、値段がつきます。累積投信で毎月自動的に積み立てることもできるため、手間を掛けずに資産形成ができます。毎月同じ日に同じ金額を買うドルコスト平均法であれば、価格が下がればその分多くの口数の投資信託を買うことができます。売る時に平均取得価格より高くなっていれば利益は出ます。