3.非鉄金属の自給率

最後に、資源を代表して銅について。

東京オリンピック&パラリンピックが無事終了しました。多くの方々がテレビ越しに熱い応援をされたのではないでしょうか。コロナ感染拡大の中、選手の皆さんは本当に素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたと思います。

メダルにちなんで…みなさんは、1gあたりの銅価格をご存知でしょうか?

金が現在1g=約6400円(消費税抜き)というのはご存知の方も多いと思います。1位と2位や3位との差は、「天と地ほどある」とよく言われます。では金価格と銅価格にはどのくらいの差があるのでしょう? 金と銅の価格比を考えてみたいと思います。

そこで問題です。

問3 銅を1とした場合、金の価格はいくつになる?
   金  : 銅
1.100 :    1
2.500 :    1
3.2000:   1
4.6000:   1

銅は家電や自動車などの製造になくてはならない非鉄金属です。また、電気自動車(EV)に大量に使われることから、今後その使用量が爆発的に増えることが予想されています。EVはガソリン車の約3倍の銅を使うとも言われていますね。

ちなみに、銅など非鉄金属のベースメタルについて、今年6月に政府は、海外で権益を持つ鉱山も含めた自給率を、「現在の約50%から2050年までに100%へ引き上げる」目標を発表しています。それだけ我が国にとっては重要な資源なのです。

それでは正解です。銅は現在1トンあたり約106万円です。1トン=1000kg=1000000gですので、銅1g=1.06円。

金と銅の価格比は、
金1g=6400円:銅1g=1.06円
⇒6037:1

ということになります(問3の正解は一番近い4番)。

ちなみに銀は1g=約85円です。分かりやすい数字に丸めてみますと……

金:銀:銅
6400:85:1.06
⇒ 6000:80:1

となりました。やっぱり金と銅にはとてつもない差があるんですね。

今後、オリンピックや大きな世界大会をご覧になる時には、ぜひ今回の価格比も思い出していただき、その時の時価で比較し直していただければと思います。