2.エネルギーの自給率

続いて、エネルギーと資源の自給率について考えてみましょう。

我々の国は資源に乏しく、資源を輸入・加工・製造し、付加価値を付け、海外に輸出することによって稼ぐというのが第2次世界大戦後の大きな流れでした。例えば資源の代表である原油は、新潟県・秋田県などでほんのわずか採掘できる他は全く採れません。

資源エネルギー庁のHPによりますと、原油の自給率が0.3%、LNG(液化天然ガス)の自給率が2.3%、石炭の自給率が0.5%というのが現状です。

それでは、エネルギー自給率はどのくらいなのでしょうか?

エネルギー自給率とは、必要な(一次)エネルギーのうち、「他の国からの輸入に頼らず、自分の国の中でどのくらいエネルギーを確保できるのか」を表す数値です。

最近は、家電から始まってスマホ・PC・自動車まで、電気がないと全くと言っていいほど生活ができなくなってきました。その電気をつくるためのエネルギー源はどのくらい我が国は自給できているのでしょう? ちなみに、日本国内にも「風力・水力・太陽光・地熱・バイオマス」等のエネルギー源は結構あると思われます。

そこで問題です。

問2    エネルギー自給率は何%?(2018年)
1.3%
2.6%
3.12%
4.24%

2011年の東日本大震災後、原子力発電所の稼動が停止したため、2012~2014年のエネルギー自給率は6%台となっていましたが、現在はようやく11.8%まで回復してきました(問2の正解は一番近い3番)。

資源エネルギー庁HPより

それにしても低いですよね。

例えば中東やオーストラリアで何らかの不測の事態が起こった場合、我が国のようなエネルギー自給率の低い国は苦境に陥り、電気代やガソリン代などの上昇によってインフレを招き、ひいては通貨も売られることになるのではないでしょうか。

資源エネルギー庁HPより

円資産のみを保有することに対するリスクがこのようなところにもあるわけです。
ちなみに海外のエネルギー自給率はと言いますと、ノルウェーの700%は別格として、オーストラリアが320%、カナダが175%、米国が97%と高くなっています。

 

資源エネルギー庁HPより

食料の場合と同様、エネルギー安全保障上も、資源・エネルギー自給率の高い国に資産を分散する必要があるのではないでしょうか。