資産寿命を延ばすために。つみたてNISAでの投資という方法も
一方で、息子さんのことだけでなく、ご自身や奥様の将来のことも考えたいところ。ご夫婦亡き後の息子さんの収入・資産のことも踏まえ、ご夫婦の老後について計画することになるでしょう。
武田さんは65歳までは現在の正社員の雇用形態、65歳以降はアルバイト契約になるとのこと。
障害者扶養共済制度の掛金の支出が20年間・70歳頃まであることも考えると、可能な限り長く勤務されることが収入面から考えて理想的かと考えられます。引き続き働くことでご自身の収入の確保も可能となるでしょうし、ひいてはご夫婦の資産寿命を延ばし、息子さんに遺せる資産も多くできることに繋がります。
企業型DCと公的年金の受給開始時期(それぞれ最大75歳までの受給開始が可能)についても、60代を迎えてからの働き方や給与額を見ながらお決めになるとよろしいかと考えられます。
さらなるプラスαとしてご提案するならば、将来のため投資による運用も考えてもよろしいと思います。武田さんは既に50歳前で、息子さんに遺す資産のことも考えると、あまり大きなリスクを取ることは難しいかもしれませんが、つみたてNISAで投資してみてはいかがでしょうか。
つみたてNISAは、少額で「長期・積立・分散投資」ができ、20年間運用益が非課税となる制度です。投資先が公募株式投資信託、上場株式投資信託(ETF)に限定され、一般NISAとはいずれか選択になりますが、無理なく投資し続けることができます。年間で40万円が投資上限です。毎月10万円の貯蓄のうち、障害者扶養共済の掛金を拠出した場合の残り8万円強の中から3万円強(40万円÷12月)までの投資であれば負担も大きくないのではないでしょうか。
以上のように、今から将来のことをイメージして行動を起こしていただくことで、不安が少しずつ取り除かれていくことと思います。
まとめ
●息子さんが20歳になる頃に、障害年金の手続きを
●“親亡き後”の年金額を増やせる障害者扶養共済制度(しょうがい共済)の活用を
●自身の資産寿命を延ばすために、つみたてNISAでの投資を検討してみては