障害基礎年金の受給は、年金制度未加入でも可

先天性の知的障害の場合、息子さんは20歳になると障害基礎年金の受給対象になると考えられます。障害基礎年金は年金制度上の障害等級1級、2級に該当すると受給できるようになります。年金の障害等級と療育手帳の障害等級は異なりますが、療育手帳は重度とのことですので、年金も十分対象になるかと考えられます。

障害基礎年金は1級であれば年間97万6125円、2級であれば年間78万900円支給されます(いずれも2021年度の額)。先天性の障害の場合も含め、20歳前の傷病による障害基礎年金は、年金制度に被保険者として加入したことがなく、保険料を納めたことがなくても受給できます。この場合、年金の受給には所得制限(所得が370万4000円を超えると年金は半額支給停止、所得が472万1000円を超えると年金は全額支給停止)等もありますが、所得要件等を満たしていれば生涯受給し続けることが可能です。

また、息子さんは20歳になると被保険者として国民年金加入義務がありますが、障害基礎年金を受給していると、その国民年金保険料は免除されることになりますので、息子さんに保険料支出はありません。

障害基礎年金に加え、息子さん自身の所得が472万1000円以下であれば、年金生活者支援給付金も支給されます。2級は月額5030円(年額6万360円)、1級は月額6288円(年額7万5456円)です(いずれも2021年度の額)。これは福祉的な給付金制度で、年金と併せて請求することになります。

障害年金が受けられるにもかかわらず、制度を知らずに手続きせず、受け取れるはずの年金が受け取れなくなっている人がいるのも現状です。息子さんが20歳になる頃に年金事務所や市区町村の窓口に相談すること、そして忘れずに手続きをすることが大切です。