「親亡き後」の収入のために…障害者扶養共済制度(しょうがい共済)の活用も
奥様は6歳年上でらっしゃるとのこと。日本人の平均寿命について、男性は81.64歳、女性は87.74歳となっています(厚生労働省「令和2年簡易生命表」より。※0歳時の平均余命)。男性と女性の平均寿命の差は6歳、武田さんと奥様の年の差も6歳。個々人が何歳まで生きるかというのは予測不可能ですが、将来武田さんと奥様が近い時期にお亡くなりになる可能性も十分あります。そうなった場合、すぐに息子さんはお一人になりますが、ご夫婦亡き後の息子さんの生活のためのお金のことが気になるところでしょう。
障害のあるお子さんがいる場合のための障害者扶養共済制度(しょうがい共済)があります。これは障害のある方(知的障害も対象)の保護者の方が任意に加入できる制度で、障害者の保護者・武田さんが掛金を掛け、武田さんが亡くなった後、あるいは武田さん自身が重度障害となった後、息子さんに年金が支給される制度となります。都道府県・指定都市がその窓口となっています。
掛金の額は保護者・武田さんの加入時点の年齢によって異なり、これから加入すると20年納める必要があります。2口まで掛けることが出来ますが、2021年度中の加入であれば、1口あたり月額1万7300円(45歳以上50歳未満の掛金)となります。50歳になって2022年度から加入しますと、掛金は1口当たり月額1万8800円(50歳以上55歳未満の掛金)となり、掛金が上がります。毎月10万円の貯蓄の中から掛金に回せられるのではないかと考えられますが、加入される場合はなるべく早い時期の加入がよろしいかと思います。
1口であれば、息子さんに将来年金が月額2万円(2口の場合は月額4万円)、生涯支給されます。もし、息子さんが年金の障害等級が2級で、障害者扶養共済が1口の加入あれば、年額で、障害基礎年金が78万900円、年金生活者支援給付金が6万360円、障害者扶養共済制度からの年金が24万円となり、合計で108万1260円と見込めるでしょう。これらはいずれも非課税となります。
息子さん自身が年金を受け取るようになってから、障害者扶養共済の年金の管理が難しい場合、年金管理者を指定することになります。幸い武田さんのお兄様のお子様たちが息子さんについての支援される準備があるとのことですので、協力を依頼してみてはいかがでしょうか。
武田さんが掛けていただく、障害者扶養共済制度の掛金は、小規模企業共済等掛金控除の対象になり、掛金は全額所得控除の対象となり、“節税”効果もあります。