株式投資で「1年後に半減」したのは360カ月のうち5回だけ

講師
そうですね、投資先次第ではありますが、この1年の国内外の株式相場を振り返ってみると、ウソではないと思いますよ。
例えば、先進国株式の値動きを表す指数*は、2020年の5月末からだと1年間で46%上昇しています。
つまり、株式投資で値上がり銘柄の当てっこをしなくても、先進国株式を投資対象にするインデックスファンドを選ぶだけで良かった、とも言えるからです
*MSCIコクサイ指数(配当込み、円ベース)

参加者
なるほど~、あながち、先輩の言っていたこともウソではないんですね。
でも、今からでは遅いような気がするんですが……。かなり大きい金額なので、これから下がるんじゃないかと心配で、なかなか投資に踏み切れません。

講師
そうですね、お気持ちはよく分かります。まずは「何を」ご心配されているのか、具体的に探ってみましょうか。
先ほどご紹介した先進国株式の指数(円ベース)で、以下のような試算を行ってみました。

投資対象:先進国株式 データ期間:1990年6月~2021年5月 試算方法: ・1990年6月から一括投資を開始し、1年後(1991年5月末)の運用成績を確認する ・開始時期を1カ月ずつずらして、同様の試算を繰り返す

単純な試算ですが、投資開始後1年間の運用成績が30年分で360回も確認できることになります。
試算してみると、運用成績の平均値は+11%ですが、1年間で投資した資金が半分以下になったケースも5回ありました。
その5回は全てリーマンショックの時期ですが、こうした金融ショックはいつ来るか分からないので、なかなか退職金の投資に踏み切れない、と、そういうことなのではないですか?

参加者
そうです、投資してすぐに大損してしまうのが心配で……。
でも、投資して1年で半分になってしまったのは、30年間の360回のうち、たったの5回なんですね!

講師
ええ。おっしゃるように、たった5回だと割り切って、投資を始めるって考え方もありますよ。
でも、退職金はいわば、一生に一度の「まとまったお金」ですから、投資してすぐに半分になってしまうリスクは、何としても避けたいですよね。

参加者
そりゃそうですよ、大切な退職金ですから。むしろ、半分になってしまうリスクを避けられる方法があるなら教えて下さい。

講師
ありますよ。

参加者
えっ、あるんですか!? 早く教えてくださいよ!

講師
そんなに慌てないでください(苦笑)。というか、今日のセミナーでもご説明したことなんですけど……。

参加者
そんな話、してくださりましたっけ……?
セミナーでご説明いただいたiDeCoのことは、子どもに話してやるつもりです。もう60歳になったので、私はiDeCoができませんからね。
ただ、つみたてNISAはやってみようかと思っていますよ。でも、つみたてNISAだって、金融ショックと無関係で済むはずはないし……。

講師
iDeCoでもつみたてNISAでも、大切なのは投資の3大原則、長期・積立・分散投資というご説明をしましたよね。これを少し応用すればいいのです。

参加者
う~ん、分かりません。というか、iDeCoやつみたてNISAのような今から資産を「作る」ための投資と、退職金のような、今ある資産を「守る」ための投資は、特徴やコツが違うっておっしゃっていましたよね?

講師
それはそうなんですが……。
もう一度、お聞きしますね。退職金の投資で避けたいとおっしゃっていたのは、結局、どんなリスクでしたっけ?

参加者
え~と、投資してすぐに大きく目減りしてしまうリスクですね。
でも、私の先輩は、逆に、大きく資産を増やせたわけですから、私と先輩の違いを考えると、言ってみれば、投資を開始するタイミングのリスクをなんとかしたい、ということだと思います。