「日本一社長の多い町」で多くの経営者の信頼を獲得
経営者の多い三条市で営業するFPMの顧客は、半数以上を法人が占める。一般的には市町村に1つ程度あるロータリークラブやライオンズクラブが、三条市には4つずつあり、市内の経営者層のつながりは非常に強い。「信頼が第一」と言うのは簡単だが、悪い噂は一日で広まる。信頼維持のためにやれることは、結局は良い提案をし続けることしかないと嘉瀬氏は断言する。「保険だけでは、『良い提案』に限界があったのです」。
株や投信の手数料が数パーセントだとすると、100万円分売って手に入るのは数万円。一方保険はというと、当時「100万円売ると30、40万円も利益が出た」という。「こんなに儲かる商品はおかしいはずなんです。しかし、どの金融機関もそうした疑問を持たずに売っていた。ならば逆に、どこも実践していない、お客さまに良いソリューションだけを提供しよう、そうすれば、他の金融機関に奪われる心配はない。そのために、保険にこだわらない品ぞろえをするようになりました」。
こうして、SBI証券、楽天証券、ニュース証券、あかつき証券と、扱う商品と登録証券会社を増やしていった。現在の主な登録証券会社は楽天証券。ニュース証券、あかつき証券の口座は、法人向け商品を扱う際に活用している。証券会社での預り金額は、全社合わせて30億円ほどだという。
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「顧客にとってのベストを提供する」ことを決意し、保険だけでなく証券会社の商品を扱うようになったFPMはその後、投資信託や企業型DC(確定拠出年金)導入など、さまざまなソリューションで顧客の課題を解決するようになる。後編「『日本一社長の多い町』燕三条で地域密着を貫く独立系アドバイザー FPM」では、その詳細について嘉瀬氏に聞く。