2020年度第3次補正予算が2021年1月28日に成立した。新型コロナワクチンの接種に向けた環境整備のほか、観光需要の喚起策としてGo To トラベルなどの予算が盛り込まれた。当初予算(102兆円超)、1次・2次補正予算と合わせた2020年度の国の歳出(支出)は175兆円超と、過去最高を記録した。
現在の新型コロナウイルス感染拡大のように、有事の際に組まれることが多い補正予算。個人投資家にとっては、「相場にどう影響しているのか」も気になるところだろう。そこで、「そもそも補正予算とは何か?」を含め、株価への影響を考えてみたい。
出所:内閣府資料などより筆者作成
「予算が足りない!」を補うのが補正予算
本来であれば、当初成立した予算で収支をやりくりするのが基本だ。しかし、現在の新型コロナウイルス感染拡大や、集中豪雨・地震などの災害により国の援助が必要となれば、自然と支出も増える。そんな緊急事態に対応するため、新たに追加される予算を「補正予算」という 。つまり「思っていたよりも支出が多くなりそうだ」という場合に新たに組まれる予算のことだ。なお、当初の見込みよりも景気の落ち込みが激しい場合に景気刺激策として組まれることもある。
予算が成立する流れも知っておきたい。政府は通常、1月下旬閣議決定された次年度予算案を国会へ提出する。そして国会にて予算案の内容が審議され、可決された後、3月下旬に成立となる。仮に災害や国の歳入不足などで成立した予算では賄えなくなった場合、9月以降に臨時国会を開いて補正予算を組むのが一般的だ。
しかし2020年は、予算が3月に成立した後、4月になってすぐに第1次補正予算が組まれた。コロナで打撃を受けた経済を立て直すためだ。これは異例の早さだといわれている。