暗号資産の利益が150万円だと、税金は50万円近く増加

ちなみに暗号資産を売買せず、課税所得金額が350万円の人の税金は、所得税が27万2500円、住民税が35万円程度なので、合計が約62万円です。つまり暗号資産の売買益が150万円加算されるだけで、税金の額が約46万円も増えたことになりますが、売買益に対する負担率は18.98%なので、預貯金のような20%の源泉分離課税に比べれば、まだ税率は低いと考えられます。

しかし、所得税率は累進課税なので、幸か不幸か売買益が高額になると、税金の負担が重くなります。下手をすれば売買益の半分近くが税金として徴収されることもあります。

でも、だからといって申告せずに放っておくと、税務署から「お尋ね」という文書が送られてきます。これも無視すると、税務署に呼び出されたり、あるいは税務署員が自宅に来たりして、いずれにしても調査を受けることになります。

この税務調査の段階まで放置しておくと厄介な事態になるので、やはり「お尋ね」が来た段階で対処するべきでしょう。この段階で修正申告をすれば10~15%の過少申告加算税を、また期限後申告をすれば15~20%の無申告加算税を納めるだけで済みます。

ところが、税務調査を受ける段階で放置すると、脱税を疑われることになります。ここまで行くと最悪、「逮捕」されることにもなりかねないので、2020年に暗号資産である程度の利益を得た人は、2021年3月15日の確定申告期日を忘れず、きちっと手続きを取るようにしましょう。