ただ預金するのではなく、iDeCo、さらにつみたてNISAを活用して“殖やす”ことも意識

次のステップは、その“先取り”でプールできたお金をどうするかです。現在、明子さんは8000万円の預金をお持ちであるため、これから作っていくお給料から振り分けられたお金は、「リタイア後の生活費に充てるためのお金」として投資に回し、お金を殖やすことも考えていきましょう。明子さんは投資はほぼ初心者ということでしたから、まずはハードルの低い、税制優遇されている制度のものから順に使っていくことをお勧めします。

1つ目は、iDeCo(個人型確定拠出年金)です。iDeCoは、①拠出時(お金をiDeCo口座で積立をするとき)②運用時(iDeCo口座で積立をしたお金を運用しているとき)③取り崩し時(60歳になってiDeCo口座から引き出しをするとき)の3つの税制優遇があります。

現在、明子さんは大学病院勤務でいらっしゃるので、iDeCoを月額1万2000円の拠出しかできません。ただし、2022年10月、月額2万円まで拠出可能となります。加えて、現在の加入期間は60歳までですが、2022年5月より65歳まで延長されますので、有効に使っていけます。

次に、おすすめするのがつみたてNISAです。こちらは年間40万円20年間積立ができるというもので、つみたてNISA口座内で積立をした商品の運用益が非課税になります。こちらはすでに始まっている制度で、さらに法改正によって2042年まで積立期間が延長しました。この枠をまずは使い切り、残りを通常の特定口座を使って運用をしていきましょう。