今回は、突然パートナーを亡くし、シングルとなった川端佳恵さん(55、仮名)の例をご紹介しましょう。
ご家族: 長女 美佳さん(30) 次女 沙保さん(25) (いずれも仮名)
川端さんはインターネット検索で当社のことを知り、相談の申し込みをされました。
数あるIFAの中からどうやって当社を見つけたのか聞くと、「FP 中立 資産運用」といったワードで検索したとのこと。FPや資産運用といったキーワードで検索される方は多いのですが、最近は川端さんのように、中立的な立場からのアドバイスを重視される方が増えていると感じています。
「中立的な意見を聞きたい」とたどり着いたIFA
川端さんは、数年前にご両親から約9000万円の資金を相続されましたが、その運用は亡きご主人に任せきりだったため、価格変動のたびに不安を感じていました。
また、運用のことは詳しくは分からないながらも、ご主人と証券会社のやりとりを見てきた中で「担当者が次々と変わってしまうし、いい人もいれば、信頼できない人もいる」と感じており、大手金融機関ではない人の意見を聞きたいと希望されていました。「中立」を検索ワードに加えたのも、こうした経緯からだったようです。
当社の初回の相談では現状の把握に加えて、ご本人の人生観や価値観についてお聞きすることを大切にしています。お金はただ貯めたり増やすだけでは意味がなく、何のために、どう使っていくかが重要だからです。
川端さんは、ご自身でカラーコーディネーターの仕事をしているため、常に美しくありたいと努力されていました。お金や生活に不安があるようでは、内面から輝く美しさをキープすることは難しいでしょう。そのためにも、資産運用の方針としては、老後のお金が枯渇しないか心配したり、資産が大きく変動するたびに不安を感じることがないようにしたいと考えていました。
自分が持っている金融商品の中身がよく分からない状態のまま、パートナーを亡くしてしまった川端さん。保有していた商品を確認してみると、新興国通貨建ての株式ファンドと個別株式、そして仕組債でした。
価格変動の大きい株式資産を、同じく変動の激しい新興国通貨建てで保有する商品は、不安をなるべく減らしたい川端さんにとって相当リスクが高いと言わざるを得ません。うまくいけば大きなリターンも狙えるでしょうが、大きな変動のたびにハラハラしてしまう人には不向きです。同様に、個別の企業に投資する個別株も、複数の企業に投資する投資信託(ファンド)と比べて価格の変動は大きくなります。また、シンプルな債券に比べてリスクの高い仕組債も、同じ理由で川端さんには向かない商品と考えました。ただ、仕組債は満期前に売却すると大きな損失が出てしまうので満期を待つことにし、まずは投信と個別株を手放すことにしました。
キャッシュフロー表を作成する過程でお話を伺っていくと、自宅のリフォームも必要なことが分かったため、預貯金4000万円のうち、2000万円をリフォーム費用と生活防衛資金とし、残りの預貯金2000万円と投信・株式の売却資金3000万円を老後資金対策に充当するという基本方針を提案しました。